始まりは「WEB3Dを核にしたトータル提案がしたい」という一通のメールから。歯科機器メーカー様とのDX挑戦記(前編)

2025.12.28

「WEB3Dシミュレーターの活用を含めた、トータルのご提案をクライアントにしたいんです」

ある日、弊社の自社サービス『だれでもシミュレータ』のお問い合わせフォームに届いた一通のメッセージ。送り主は、ある広告代理店のディレクター、K氏でした。

この一通のメールが、のちにメーカー様のショールーム運営を劇的に変えるプロジェクトの幕開けとなりました。

現場の課題:重くて運べない、でも見せないと伝わらない

K氏が向き合っていたのは、歯科用ユニットを製造・販売する大手メーカー様の課題でした。 歯科ユニットは、色、形状、オプションが多岐にわたる「カスタマイズの塊」のような製品です。しかし、そのすべてをショールームに置くことは物理的に不可能です。

ましてや、多忙な先生方のクリニックへ実機を持ち込んでデモを行うなど、運搬コストや設置の制約を考えても、これまでは「夢のまた夢」の話でした。

K氏は、従来のパンフレットや動画といった販促の枠を超え、「3Dシミュレーションを軸にした、全く新しい営業スタイル」をメーカー様に提案しようと、パートナーを探されていたのです。

「まずは動くものを、1週間で」

K氏が数あるサービスの中から『だれでもシミュレータ』を検索で見つけ、選んでくださった理由。それは、弊社のプラットフォームが「3DCADデータを活用して、素早くWeb展開できる」という点にありました。

K氏の「トータル提案」を成功させるため、私たちはまず、メーカー様がお持ちの精密な3DデータをWebブラウザでサクサク動くように最適化。わずか1週間で、以下の機能を備えたプロトタイプを構築しました。

①360度自由な角度から外観を確認
②ボタン一つで膨大なカラーバリエーションを瞬時に切り替え
③WebAR機能による、診察室への「実物大」投影

「アプリのインストール不要で、先生のスマホですぐに動く」という手軽さは、営業DXにおいて最大の武器になります。

会議室で起きた「目の色の変化」

プロトタイプをお披露目したクライアント様との会議の日。 K氏が自らスマートフォンを手に取り、会議室のテーブルの上に1/1スケールの歯科ユニットをARで出現させた瞬間、会場の空気が一変しました。

「これなら、搬入経路の確認も、配管位置との兼ね合いもその場で説明できる!」 「営業マン全員に持たせたい!」

K氏の「WEB3Dを核にする」という読みが、メーカー様の確信に変わった瞬間でした。

次なる展開へ

こうして順調にスタートした「営業DXプロジェクト」。 当初はWebでの展開がメインでしたが、プロトタイプの手応えが大きかったことから、K氏とメーカー様の野心はさらに一段高いところへと向かいます。

「Webの手軽さは完璧。次は、ショールームに来てくださる先生方に、一生モノの買い物の感動を与える『究極の体験』を作れませんか?」

このリクエストに対し、私たちはこれまで培ってきた「ある高度な技術」を投入することになります。

後編:「Unity開発への方針変更とショールームでの大反響編」 へ続く)

AgWORKS Limited

投稿者:AgWORKS Limited

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