2026.08.18

CMS・DB・APIまで考える。AI時代の企業Web情報基盤

Webサイトを作るだけでは、企業の情報基盤にはならない

企業のWebサイトを制作するとき、「どんなページを作るか」「どんなデザインにするか」というところから考え始めることが多いと思います。

トップページがあり、会社概要があり、サービス紹介があり、実績や事例があり、お問い合わせページがある。必要に応じてブログやニュースを追加し、それぞれのページをデザインして公開する。
これまでの企業Webサイトでは、それで十分なケースもありました。

しかし、企業がWeb上で扱う情報が増え、ECやWebサービス、営業支援システムなどとの連携が進み、さらに生成AIやAI検索によってWeb上の情報が機械にも利用されるようになると、Webサイトを単純な「ページの集合」として考えるだけでは対応しにくくなっています。

例えば、ある企業が100種類の商品を扱っているとします。

商品名、型番、価格、サイズ、素材、カラー、画像、仕様、関連商品、FAQ、導入事例など、商品に関する情報は一つのページだけに収まるものではありません。

それらをWebページに直接書き込んで管理するだけでは、情報が増えるほど更新や再利用が難しくなります。

WebサイトだけでなくECでも使いたい。営業担当者にも使わせたい。商品シミュレータにも表示したい。将来的にはAIにも利用させたい。

そう考えたときに必要になるのが、企業情報をWebサイトの外側も含めて整理し、管理し、必要な場所へ届けられる仕組みです。

これからの企業Webは「ページ」ではなく「情報」を中心に考える

AI時代の企業Webサイトを考えるうえで重要なのは、ページを増やすことではありません。
企業がどのような情報を持っているのかを整理し、その情報をどのような単位で管理し、どの情報とどの情報が関連しているのかを明確にすることです。

例えば、「商品」という情報があれば、その商品には商品名や型番だけでなく、画像、仕様、価格、カラー、関連商品、対応サービス、導入事例、FAQなど、さまざまな情報が関連しています。

「事例」という情報にも、導入企業、導入した商品、解決した課題、利用したサービス、関連する業界などの情報があります。

こうした情報をそれぞれ独立したページとして扱うのではなく、企業の情報構造として整理しておけば、一つの情報を複数の場所で利用できるようになります。

Webサイトに掲載するためだけの商品情報ではなく、企業が持つ商品データそのものをWeb上で活用できる状態にするという考え方です。

この発想に変えると、Webサイトの設計も変わってきます。

CMSは「ページを更新する道具」から「企業情報を管理する仕組み」へ

企業WebサイトではCMSが広く利用されています。

文章を書き換えたり、画像を差し替えたり、新しい記事を追加したりすることで、専門的な知識がなくてもWebサイトを更新できるようになります。

しかし、企業情報をWeb情報基盤として考える場合、CMSの役割はそれだけではありません。

例えば商品情報をCMSで管理するのであれば、商品名や説明文だけではなく、型番、仕様、カテゴリー、画像、関連商品などを構造化して管理することができます。

事例についても、タイトルと本文を登録するだけではなく、業界、サービス、商品、課題、導入企業などの情報を関連付けて管理することができます。

そうすれば、同じ商品に関連する事例を自動的に表示したり、特定の業界に関連するサービスや事例をまとめたり、条件に応じて必要な情報を表示したりすることが可能になります。

CMSを「Webページを書くための管理画面」としてだけではなく、企業が持つ情報を整理して管理するための仕組みとして設計することが、これから重要になります。

DBを使うことで、情報を「蓄積して再利用」できる

さらに情報量が増えたり、複雑な条件で情報を扱ったりする場合には、データベースが重要になります。

Webページに文章として書かれた情報は、そのページを見るためには便利ですが、別のサービスで利用することは簡単ではありません。

一方、商品名、型番、価格、サイズ、カテゴリーなどをデータとして管理しておけば、その情報を必要な場所へ取り出して利用できます。

例えば商品データベースを構築しておけば、Webサイトの商品ページだけでなく、商品検索、比較機能、EC、営業支援システム、3Dシミュレータなど、さまざまな仕組みで同じ情報を利用できます。

情報を一度登録したら、その情報を何度も入力し直すのではなく、一つの情報を複数の用途で利用する。

この考え方は、企業がWeb上で扱う情報が増えるほど大きな意味を持ちます。

そして、情報を一元的に管理することで、Webサイトごとに内容が違ってしまう、古い情報が残ってしまう、といった問題も減らしやすくなります。

APIによって、企業情報をWebサイトの外へ届ける

CMSやDBに情報を整理しても、その情報を一つのWebサイトだけで利用するのであれば、活用範囲には限界があります。

そこで重要になるのがAPIです。

APIを利用することで、あるシステムが持っている情報を、別のシステムから利用できるようになります。

例えば、商品データベースに登録されている情報をWebサイトへ表示するだけでなく、ECサイトや営業支援システム、商品シミュレータなどから利用することもできます。

企業が持っている情報を「このページに表示するもの」として閉じるのではなく、必要なサービスへ届けられるデータとして扱うことができます。

これから企業が新しいWebサービスを立ち上げたり、AIを利用したサービスを導入したりするときにも、すでに整理された情報基盤があれば、その情報を新しい用途へ展開しやすくなります。

Webサイトを作る段階で、将来的なデータ利用まで考えておくことには、このような意味があります。

AI時代には「Webサイトの中身」そのものが企業の資産になる

生成AIやAI検索の普及によって、企業がWeb上で公開している情報は、これまで以上に重要になっています。

AIが企業を理解するとき、会社概要だけを読むとは限りません。

サービスページ、商品情報、事例、FAQ、コラム、ニュースなど、Web上に存在するさまざまな情報が企業を理解するための材料になります。

そのため、企業が何を提供しているのかという情報がサイト内のあちこちに分散し、それぞれのページで表現が異なっている状態よりも、企業情報全体が整理され、関連付けられている状態の方が、企業の情報を一貫して伝えやすくなります。

さらに構造化データなどを適切に利用すれば、ページに書かれている情報が何を意味するのかを機械に伝えるための手段も増やせます。

ここで重要なのは、「AIに読ませるために特殊な文章を書く」ということではありません。

企業自身が持っている情報を、正確に整理し、適切な構造でWeb上に公開する。

その結果として、人にもAIにも企業の情報を理解してもらいやすい状態を作ることができます。

自社のWebサイトは「情報基盤」になっていますか?

現在の企業Webサイトが、単にページを表示するだけの仕組みなのか、それとも企業情報を蓄積・管理・再利用できる仕組みになっているのかを確認するだけでも、これからのWeb戦略を考えるきっかけになります。

「商品情報をWebサイト以外でも利用したい」「CMSの管理方法を見直したい」「Webサイトと社内システムを連携したい」といった課題があれば、現在の情報構造から整理することができます。

Webサイト、EC、Webサービス、シミュレータを一つの情報でつなぐ

企業によっては、Webサイトとは別にECサイトを運営していたり、商品検索システムを持っていたり、営業担当者向けのシステムを利用していたりします。

さらに商品をWeb上でカスタマイズするシミュレータや、3Dモデルを使った商品確認ツールなどが必要になるケースもあります。

これらをそれぞれ別々に開発してしまうと、同じ商品情報を複数のシステムに登録しなければならなくなります。

商品名を変更したら複数箇所を修正する。価格が変わったら複数の管理画面を更新する。商品が廃番になったら、それぞれのシステムから削除する。

こうした状態は、情報量が増えるほど運用上の負担になります。

そこで、企業の商品情報を中心にCMSやDBを設計し、その情報をAPIなどで必要なサービスへ提供するという考え方が重要になります。

企業情報

CMS / DB

API
├── 企業Webサイト
├── EC
├── 営業支援システム
├── Webサービス
├── 3Dシミュレータ
└── その他のサービス

こうした構造を作ることで、Webサイトは企業情報を「見せる場所」の一つになります。

そして、その情報を利用する場所はWebサイトだけではなくなります。

AgWORKSは「Web制作」と「システム開発」を分けずに考えられる

このような情報基盤を構築するには、Webサイト制作だけの知識では対応しにくい部分があります。

情報設計を行い、CMSを設計し、データベースを構築し、APIを開発し、それをWebサイトの画面へ実装する。必要に応じてECや外部サービスと連携し、さらに3DシミュレータなどのWebアプリケーションまでつなげる。

AgWORKSは、これまで企業サイトの制作に加えて、CMSやデータベースを利用したWebシステム、API連携、Webサービス、WebGL、3Dシミュレータなどの開発に取り組んできました。

そのため、Webサイトを「デザインする部分」と「裏側のシステム」を完全に分離するのではなく、企業が持つ情報を中心に、画面からデータ、システムまで一つの構造として考えることができます。

例えば3Dシミュレータを開発する場合も、3Dモデルをブラウザに表示するだけではありません。

商品情報、選択条件、価格、画像、バリエーションなどをどのように管理するのか。その情報をどこから取得するのか。ユーザーの選択結果をどのように扱うのか。必要であればECや営業システムとどのように連携するのか。

こうしたところまで含めて設計することで、3Dシミュレータを単独のコンテンツではなく、企業のWeb情報基盤につながるWebサービスとして構築できます。

これは、Webページの制作だけを行う場合とも、システムだけを開発する場合とも異なるアプローチです。

AIによって「作ること」が容易になるからこそ、情報基盤の設計が重要になる

生成AIによって、Webサイトの文章、デザイン、コード、画像、3DCGなどを作ることは以前よりも容易になりました。

これからは、プロトタイプや小規模なWebサービスを短期間で作ることも、これまで以上に身近になっていくでしょう。

しかし、企業が長期間利用するWebサイトやWebサービスでは、「作れること」と「運用できること」は別の問題です。

情報をどこで管理するのか。誰が更新するのか。複数のサービスでどのように利用するのか。古くなった情報をどう管理するのか。新しいサービスを追加するときにどう拡張するのか。

そして、AIや検索サービスが企業情報を利用するようになったとき、その情報をどのように正確に提供するのか。

こうしたことまで考えて初めて、企業にとって長く利用できるWeb基盤になります。

AIによって「作るコスト」が下がっていくほど、Web開発の価値は単純な制作量から、情報をどう設計し、どうつなぎ、どう運用できる状態にするかへ移っていきます。

これからの企業Webは「情報を持つ場所」から「情報を活用する基盤」へ

企業Webサイトは、企業の情報を人に見せるためだけの場所ではなくなりつつあります。

企業情報を管理し、商品情報を蓄積し、事例やFAQを関連付け、必要な情報をWebサイトやEC、Webサービス、シミュレータへ届ける。

さらに、その情報を検索エンジンやAIが理解しやすい形でWeb上に公開する。

こうした仕組みが整えば、企業Webサイトは単なる「会社案内」ではなく、企業が持つ情報を活用するための基盤になります。

その中心にあるのは、CMSでもDBでもAPIでもありません。

企業が持っている情報を、どのような構造で整理し、どのように利用できるようにするかという情報設計です。

CMS、DB、API、Webサイト、EC、Webサービス、3Dシミュレータなどは、その情報を活用するための仕組みとして位置付けられます。

AgWORKSでは、これまで培ってきたWeb制作とシステム開発、WebGL・3D開発の経験を組み合わせ、企業の情報を「見せる」だけではなく、「管理する」「つなぐ」「利用する」ところまで含めたWeb情報基盤として設計していきます。

「Webページを作る」から、「企業の情報基盤を作る」へ。

AI時代の企業Webには、これまでとは異なる設計思想が求められています。

関連記事

AIによってWeb制作そのものが変わる一方で、企業Webサイトの役割も変化しています。

企業情報、商品情報、事例、FAQ、CMS、DB、API、構造化データなどをどのように整理し、Web上で活用していくのか。

これからの企業Webに必要な情報設計について、こちらの記事でも紹介しています。

 

AgWORKS Limited

投稿者:AgWORKS Limited

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